近年、各地で自然災害が多発しており、防災意識の高まりを感じます。そんな中、一部のご家庭では、あえて1日自宅で避難生活を体験する「自宅避難体験」を取り入れていると聞きます。また、ゴールデンウイークは、長期保存している非常食の賞味期限を確認し、交換する良い機会ですが、このタイミングで1日自宅避難体験をすることで、さらに多くの学びが得られるはずです。
今回は、1日の自宅避難体験を通して家族で得られる効果と、非常食交換と合わせて行うことで深まる学びについてご紹介します。
なぜ自宅避難体験が有効なのか?
実際の災害発生時は、電気、ガス、水道といったライフラインが途絶える可能性があります。情報も限られ、普段当たり前に使っているものが使えなくなることで、私たちは想像以上に不便を感じ、不安になるものです。
自宅避難体験は、そうした「もしも」の状況を疑似的に体験することで、以下の効果が期待できます。
- 非常用備蓄品の確認と課題発見:
- 実際に非常食を調理・試食することで、味や量、調理の手間などを確認できます。「思っていたより美味しくない」「量が足りない」「調理に時間がかかる」といった課題が見つかるかもしれません。
- 懐中電灯やラジオ、モバイルバッテリーなどの備品が正常に使えるか、どこに保管してあるかを確認できます。「電池が切れている」「すぐに取り出せない場所にある」といった問題点に気づくことができます。
- 水や簡易トイレ、救急セットなど、不足している備品がないかを確認できます。
- ライフライン停止時の生活をシミュレーション:
- 電気を使わずに過ごすことで、照明の確保方法、情報収集手段(ラジオの活用など)、娯楽の必要性などを体感できます。
- 水道が止まった状況を想定することで、備蓄水の重要性、節水方法、簡易トイレの使い方などを学ぶことができます。
- ガスが止まった状況を想定することで、カセットコンロなどの調理器具の必要性や、火の扱いの注意点などを確認できます。
- 家族間の役割分担と連携の確認:
- 誰が食料の準備をするのか、誰が水の確保をするのか、誰が情報の収集をするのかなど、災害時にどのように協力し合うかを話し合い、役割分担を決めることができます。
- 避難経路の再確認や、家族間の連絡手段(災害用伝言ダイヤルなど)の確認を行うことができます。
- ペットがいる家庭では、ペットの避難方法や必要な備品について話し合うことができます。
- 防災意識の向上:
- 普段の生活がいかに恵まれているかを実感し、災害への備えの重要性を改めて認識することができます。
- 体験を通して得られた気づきや反省点を活かし、より具体的な防災対策を講じることができます。
- 家族全員で取り組むことで、防災に対する意識を共有し、一体感を高めることができます。
GWに非常食交換と合わせて行う自宅避難体験の学び
ゴールデンウイークは、時間を取りやすく、家族で防災について考える良い機会です。非常食の交換と合わせて1日の自宅避難体験を行うことで、以下のような学びがさらに深まります。
- 賞味期限切れを防ぐローリングストックの実践: 交換する非常食を実際に調理して食べることで、ローリングストックの重要性を理解し、日頃から備蓄品を活用する習慣を身につけるきっかけになります。
- 好みの非常食の発見: 実際に様々な種類の非常食を試すことで、家族それぞれが食べやすいもの、長期保存しやすいものなどの好みを把握できます。今後の備蓄品選びの参考になります。
- 調理方法の習熟: アルファ米やレトルト食品など、普段調理しない非常食の作り方を練習することで、災害時にもスムーズに準備できるようになります。
- 備蓄品の整理と収納の見直し: 非常食の交換に合わせて、他の防災備蓄品(水、懐中電灯、救急セットなど)も一緒に点検し、使いやすいように整理整頓する良い機会になります。
- 災害時の献立を考える: 備蓄している食材だけで、どのように数日分の食事をまかなうかを家族で考えることで、食料計画の重要性を学ぶことができます。
家族で「もしも」を体験する
1日の自宅避難体験は、少しの手間と時間で、家族の防災力を大きく向上させる貴重な機会となります。ゴールデンウイークに非常食の交換を行う際は、ぜひ家族で一緒に自宅避難を体験し、「もしも」の時にどう行動するかを話し合ってみてください。
体験を通して得られた学びは、きっと今後の防災対策に役立ち、家族の安全を守るための大きな一歩となるはずです。
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