これから梅雨のシーズンを迎え、雨の日が多くなりますね。近年、集中豪雨による都市部や住宅地の浸水被害も増加しており、「もしかしたら我が家も…」と不安を感じている方もいるかもしれません。
今回は、もし自宅が浸水してしまった場合に、被害を最小限に抑えるために今からできる対策と、そうした事態に備えて加入しておきたい保険について解説します。
深刻化する浸水被害:他人事ではない身近なリスク
ゲリラ豪雨という言葉もすっかり定着しましたが、短時間で局地的に降る大雨は、排水能力を超え、思いもよらない場所で浸水被害を引き起こす可能性があります。低地だけでなく、わずかな傾斜地や地下室なども浸水の危険性があります。
自宅が浸水すると、家財の損害はもちろん、生活インフラがストップし、日常生活に大きな支障をきたします。最悪の場合、避難生活を余儀なくされることも。だからこそ、事前の備えが非常に重要なのです。
今すぐできる!自宅浸水に備える対策
自宅の浸水被害を軽減するために、今からできる対策をいくつかご紹介します。
- ハザードマップの確認: お住まいの自治体が作成している水害ハザードマップを確認し、自宅周辺の浸水想定区域や避難場所、避難経路などを把握しておきましょう。
- 排水溝や側溝の清掃: 自宅周辺の排水溝や側溝に落ち葉やゴミが詰まっていると、雨水の流れが悪くなり、浸水の原因となることがあります。定期的に清掃を行い、水はけを良くしておきましょう。
- 土嚢や止水板の準備: 浸水が想定される地域では、玄関や窓などの開口部に設置できる土嚢や止水板を準備しておくと有効です。自治体によっては配布や設置指導を行っている場合がありますので、確認してみましょう。
- 家財の移動と整理: 浸水が想定される高さよりも高い場所へ、家電製品や貴重品、衣類などを移動させておきましょう。特に、床に直接置いてあるものは、台に乗せるなど工夫しましょう。
- 非常用持ち出し袋の準備: 避難が必要になった場合に備え、非常用持ち出し袋の中身を改めて確認し、すぐに持ち出せる場所に置いておきましょう。
- 情報収集手段の確保: 大雨警報や避難情報などを迅速に把握できるよう、スマートフォンの防災アプリをインストールしたり、ラジオを用意したりしておきましょう。
- 近隣住民との連携: 地域によっては、浸水時の避難や情報共有について取り決めがある場合があります。近隣住民と連携し、互いに助け合える体制を作っておくことも大切です。
- 電気設備の安全対策: 浸水が想定される場所にコンセントや配線がある場合は、事前に高い位置に移設したり、止水対策を施したりすることを検討しましょう。感電防止のため、ブレーカーの位置も確認しておきましょう。
自宅浸水は保険でカバーできる?知っておきたいこと
自宅が浸水した場合、加入している保険で補償されるかどうかは、保険の種類や契約内容によって異なります。
一般的に、火災保険に水災(風水害)の補償を付けている場合、浸水による損害が保険金支払いの対象となる可能性があります。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 保険の種類と補償範囲: 火災保険には、水災補償が付いていないプランや、床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水といった一定の条件を満たした場合のみ補償されるプランなどがあります。ご自身の保険契約の内容を改めて確認しましょう。
- 免責金額: 保険金が支払われる場合でも、一定の免責金額(自己負担額)が設定されている場合があります。
- 損害額の評価: 保険会社は、浸水による損害額を査定し、その結果に基づいて保険金を支払います。
- 地震保険: 地震による津波や洪水で被害を受けた場合は、火災保険ではなく地震保険の対象となります。ただし、地震保険は火災保険とセットで加入する必要があり、保険金額も火災保険の保険金額の一定割合までとなります。
確認しておきたいこと
- 保険証券の確認: 加入している保険の種類や補償内容、免責金額などを確認しましょう。
- 保険会社への問い合わせ: 不明な点や疑問点があれば、加入している保険会社に問い合わせて確認しましょう。
- 水災ハザードマップとの照らし合わせ: ハザードマップで自宅が浸水想定区域に入っているかどうかを確認し、必要に応じて保険の見直しを検討しましょう。
事前対策と保険で、もしもの事態に備えを
自宅の浸水は、予測が難しい自然災害の一つです。しかし、日頃から対策を講じておくことで、被害を最小限に抑えることができます。また、万が一の事態に備えて保険に加入しておくことも、経済的な負担を軽減する上で重要です。
梅雨入りを前に、今一度ご自宅の浸水対策を見直し、加入している保険の内容を確認してみてはいかがでしょうか。事前の備えが、安心した暮らしを守る第一歩となります。
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