日差しが強くなり、気温がぐんぐん上がる季節がやってきました。真夏日となる日も増え、熱中症への警戒が欠かせません。誰もが熱中症になる可能性がありますが、実は「熱中症になりやすいタイプ」というのをご存知でしょうか?
今回は、熱中症のリスクが高い人の特徴、日頃からできる効果的な予防法、そして「もしかして熱中症かも?」と判断するためのチェックポイントについて、分かりやすく解説します。
あなたは大丈夫?熱中症になりやすい人の特徴
以下に当てはまる方は、熱中症のリスクが特に高いため、意識的な予防が必要です。
- 高齢者:
- 理由: 体温調節機能が低下しているため暑さを感じにくく、汗をかく能力も低下します。また、体内の水分量が少なく、のどの渇きを感じにくいため、脱水状態になりやすい傾向があります。
- 乳幼児・子ども:
- 理由: 体温調節機能が未熟で、体温が上がりやすいです。また、地面からの照り返しの影響を受けやすく、自分で水分補給の必要性を訴えられないこともあります。
- 肥満体質の人:
- 理由: 体内に脂肪が多いため熱がこもりやすく、体温が上昇しやすい傾向があります。
- 普段運動しない人・久しぶりに運動する人:
- 理由: 暑さに慣れていないため、体がうまく体温調節できません。急に運動すると、体に大きな負担がかかります。
- 病気の人・薬を服用している人:
- 理由: 持病(特に心臓病、腎臓病、糖尿病、高血圧など)や、一部の薬(向精神薬、抗ヒスタミン剤、利尿剤など)は、体温調節機能や水分バランスに影響を与えることがあります。
- 体調が悪い人:
- 理由: 寝不足、二日酔い、発熱、下痢など、体調が優れない時は体力が低下しており、熱中症になりやすいです。
- エアコンの使用を控える人:
- 理由: 電気代を気にしてエアコンを使わない、または扇風機だけで過ごすなど、適切な室温管理ができていないと、室内に熱がこもりやすくなります。
- 節水意識が高い人(水分補給を控える人):
- 理由: 無意識に水分補給を控えてしまい、脱水状態になることがあります。
日頃からできる!熱中症予防法
熱中症は、予防できる病気です。日頃から以下の対策を習慣にしましょう。
- こまめな水分・塩分補給:
- のどの渇きを感じる前に、少量ずつこまめに水分を摂りましょう。1時間に1回程度が目安です。
- 汗を多くかいた時は、スポーツドリンクや経口補水液などで塩分も補給しましょう。
- ポイント: 冷たい飲み物(5〜15℃程度)は胃腸への負担も少なく、体内に吸収されやすいです。
- 暑さを避ける生活:
- 涼しい服装: 吸湿性・速乾性の高い素材を選び、ゆったりとした服装にしましょう。首元を開ける、袖や裾をまくるなど、風通しを良く工夫しましょう。
- 日中の外出を避ける: 気温がピークになる時間帯(10時〜14時頃)の外出はできるだけ避けましょう。やむを得ない場合は、日傘や帽子を活用し、日陰を選んで歩きましょう。
- エアコン・扇風機の活用: 我慢せず、エアコンや扇風機を積極的に使いましょう。室温は28℃を目安にし、湿度も適切に保ちましょう。
- シャワーやクールダウン: 暑さを感じたら、冷たいタオルで体を拭いたり、シャワーを浴びたりして体を冷やしましょう。
- 体調管理を徹底する:
- 十分な睡眠: 睡眠不足は体力を低下させ、熱中症のリスクを高めます。しっかり睡眠をとりましょう。
- バランスの取れた食事: 栄養バランスの取れた食事で体力を維持しましょう。特に夏バテしやすい時期は、消化の良いものやビタミンB群を含む食品を意識して摂りましょう。
- 適度な運動: 日頃からウォーキングなどの適度な運動を行い、暑さに強い体作りを目指しましょう。ただし、熱中症に注意しながら行いましょう。
- 暑さ指数(WBGT)をチェック:
- 環境省が発表している「暑さ指数(WBGT)」は、熱中症の危険度を示す指標です。外出時や運動前にチェックし、危険なレベルであれば無理をしないようにしましょう。
「もしかして熱中症かも?」判断するポイント
熱中症の症状は、初期段階では気づきにくいことがあります。以下のサインを見逃さないようにしましょう。
初期症状(軽度):
- めまい、立ちくらみ
- 足がつる(こむら返り)
- 大量の汗、または汗が止まる
- だるさ、倦怠感
- 頭痛、吐き気
中等症〜重症の症状:
- 強い頭痛、吐き気、嘔吐
- 体がだるくて動けない
- 意識がぼんやりする、呼びかけへの反応が鈍い
- まっすぐ歩けない、ふらつく
- けいれん
- 体温が異常に高い(39℃以上など)
- 意識がない
【重要】 上記のような症状が見られたら、すぐに以下の対応をとりましょう。
- 涼しい場所へ移動: エアコンの効いた室内や風通しの良い日陰へ移動させる。
- 体を冷やす: 服をゆるめ、首筋、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を氷や冷たいタオルで冷やす。
- 水分・塩分補給: 意識がはっきりしていれば、経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ飲ませる。
- 意識がない、呼びかけに反応しない、自力で水分補給ができない場合は、ためらわずに救急車を呼ぶ(119番通報)!
まとめ:予防と早期対応で、安全な夏を!
熱中症は、命に関わることもある危険な病気です。特に熱中症になりやすいタイプの方は、日頃から予防策を徹底し、自分の体調変化に敏感になりましょう。
また、周囲の人も、高齢者や子どもなど、熱中症リスクの高い人への声かけや見守りを忘れずに行ってください。正しい知識と早めの行動で、この夏を安全で快適に乗り切りましょう。
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